組織の管理職・部活動やサークルのリーダーのみなさん、学校の若い担任の先生方の中には、
口下手で「人を惹きつける面白い話なんかできるわけがない。ましてや感動してもらうなんて無理!」
という悩みをお持ちの方も多いと聞きます。そういう方に「マジックスピーチ」をお勧めします。マジックスピーチとは、スピーチに簡単マジックを取り入れたスピーチ方法のことです。
この記事では、なぜ私が、口下手な方に「マジックスピーチ」をお勧めするのか、その理由をご説明します。
熱意だけでは伝わらない!
そうですよね。実際に私も中学校教員になったばかりの頃は、「熱く語れば、その思いは相手に伝わり、心を惹きつけることができる。感動させることができる。その結果、心を開き、信頼関係は築ける!」と本気で考えていました。
しかし、現実の壁は極めて高く険しかったのです。そんな青春ドラマのような虫のいいことは起こりませんでした。
いざ、教員になってみると、生徒や保護者に話さなければならないことがこんなにあるのかと驚きました。学校を出たての若い担任をバカにする空気をだし「お前なんか信用しないぞ!」と初対面から敵意をむき出す生徒や保護者もいました。そんな状況で、私も緊張し、余裕をなくしていました。
その結果、話さなければならないことをただ羅列する説得力のない話ばかりをしていたのです。当然、心を惹きつけたり、感動させる話とはほど遠いものとなっていたのです。
ですが、今、私は、マジックスピーチを取り入れることによって、話したいことを効果的に伝え、多くの方々が心を開いてくれるような話ができるようになりました。100%とはいきませんが、私の話を聞いたあと、笑顔でうなづいてくださる方が多くなりました。
この記事では、口下手の人でも、大勢の前で心を惹きつける面白い話をして、聞いてくれた方々が感動し心を開いてくれるようになる方法について説明します。
口下手でも効果的に話を伝えるコツは『マジックの技法』
では、まず『マジックスピーチ』とは何か?ということをもう少し詳しくお話しします。
つまり、そのスピーチで一番、伝えたいこと(メッセージ)を相手に理解してもらうためにあくまでも補助的にマジックを演じる方法です。演じるマジックの種類や方法やタイミングは、どこで、誰に、いつ、何のために、どのようにスピーチするのかによって様々なパターンがあります。
ただのスピーチでは、「話す」という作業が中心となってしまい、「話す」ことそのものが苦手な口下手の人にとってはそれこそが最大のネックとなってしまいます。しかし、『マジックスピーチ』を取り入れれば、会場の雰囲気が劇的に変わります。観客がこちらに心を開いてくれますので、ホームグラウンドで試合をするチームのように心のストレスが減ります。また、多少、話が上手ではなくても、マジックの現象がメッセージを伝える強力な助っ人となりますので、観客の理解度は格段に上がり、心を惹きつけ、感動を生みやすくなります。
『マジックの技法』を取り入れる2つの理由
では、具体的に『マジックの技法』を取り入れたらどんなメリットがあるのでしょうか。
1つ目は、聴覚だけではなく視覚からも訴えることができることです。
そうすると、観客の心を揺さぶり『感動』が生まれやすくなります。こうなると、「もっと聞きたい」「もっと見たい」という欲求が芽生え、スピーチにより興味をもち集中してくれるようになります。こうなれば、こちらが話したい内容が効果的に観客の心に入りやすくなります。
2つ目は、『緊張状態をほぐす』ことができることです。
その結果、スピーチ会場の雰囲気が柔らぎ、観客との信頼関係が築かれ、歓声や笑いもおこりやすくなります。話しはじめは恐い顔をしてこちらを見ていた人も徐々に笑顔になっていきます。
さらに2次的な効果としては、スピーチ終了後に話しかけてくれる人がでてきます。「面白いお話でした。また楽しみにしてますね」などたわいない短い会話ですが、これこそ、観客の心を惹きつけ、感動してもらった証といえるのではないでしょうか。
感動が生まれ、笑いがおこりやすくなる理由は?
『マジックスピーチ』は、「マジックの現象」の他に「マジックアクション」(おまじないをかけたり、ないものをあるように演じたりなどの体を使った演技)を使うと、今までおもに聴覚しか使ってなかった感覚に視覚、場合によっては触覚も使うことになります。
ここに落語家の故桂枝雀さんのいう「キンカンの法則」が成立します。つまり、話を聞いて緊張している状態にいきなりマジックの現象がおこったら心の緊張がゆるみ(緩和)ますよね。それが会場の柔らかい雰囲気や笑顔につながります。それが面白い話、惹きつける話につながります。
また、「感動のメカニズム」の著者である前野隆司さんは、その著書の中で、感動は「SENSE+FEEL(五感で感じて感動した)」「ACT+FEEL(体験の拡大に感動した)」などで分析できるとしています。
『マジックの現象』は、まさに「五感で感じさせ」「体験を拡大」させる要素がつまっているのです。ですから、人は感動しやすくなるのですね。
まとめ
この記事をまとめると以下のようになります。
- マジックスピーチとは、「マジックの技法」を取り入れたスピーチのこと
- マジックスピーチを取り入れると、聴覚だけではなく視覚からも歌えかけることができる
- マジックスピーチを取り入れると、観客の緊張状態をほぐし、笑いや歓声がおこりやすくなる
- 口下手の人こそ、マジックスピーチを取り入れその効果を実感してほしい
当然「マジックの技法」を練習する時間は必要となりますが、それに費やした時間に余りあるリターンが得られます。ご心配なく!初心者向けの簡単にできるマジックも意外とたくさんあります。このブログや近々開設予定の私のyoutubeチャンネルでも紹介していきますので参考にしてくださいね。https://nandeyanen56.com/category/magic/magic-collection/