誰でも一度くらい、スピーチで
「もっと面白い話をしたい」「心を惹きつけ、観客が感動する話がしたい」
と思ったことがあるのではないでしょうか。
そんな経験がある方は、ぜひ一度、簡単マジックを取り入れたスピーチ方法(それを私はマジックスピーチと呼んでいます)に挑戦してみてください。特に、口下手な人にとっては、これ以上ないスピーチ技術です。
この記事を読み終えると、口下手の人でも、面白い話、心を惹きつけ観客が感動する話ができるスピーチ方法は何かということと、そのメリットとデメリットがわかります。
これが「マジックスピーチ」だ!
『マジックスピーチ』とは、スピーチの目的を達成させるために、スピーチ中に『マジックの技法』を取り入れたスピーチ技術のことです。
注意すべき部分は、マジックショーで行うマジックとは違い、そのスピーチで一番伝えたいメッセージを効果的に伝えるための手段としてマジックを行うということです。マジックが主役ではないのです。
スピーチよってマジックを行う場面やマジックの種類や数やは変わってきます。スピーチ中にマジックをするわけですから、当然、普通にスピーチするよりも練習が必要です。ですが、スピーチに困っている口下手のあなたにとっては、大きな救いとなります。しかも、経験を積んでいくうちに、スピーチ自体もうまくなっていくのです。
『マジックスピーチ』の原点は授業
中学校教員をしていた私は、30代後半にマジックを始めました。小さい頃から興味もありましたが、一番は、仕事だけに振り回されて疲弊していく毎日を何とか変えたいという気持ちの方が強かったと思います。
ある程度の技法が身につき、老人施設や地域の芸能発表、地域の子供会などで演じることもふえてから、勤務する学校でもやりはじめました。ただし、はじめの頃は、学校祭やクラスのお楽しみ会などで純粋にマジックを披露していました。
そんなある日、ある生徒から「先生!普段の授業でもやってくださいよ。」と言われました。同時に「どうなるんだろう?」という素朴な期待が芽生えました。しかし、授業でやるにはいくつものハードルがありました。
ただ、「マジック楽しかった」で終わらず、「授業内容をわかってもらうため」に使わなければならない。
つまり、授業が終わったとき、「先生のマジックすごかった」ではなく、「先生はこのことを教えるためにあのマジックを見せてくれたんだ」と思ってもらわなくては意味がないからです。そこから、少しずつ、授業にマジックを取り入れる試行錯誤を始めたのです。
『マジックスピーチ』は口下手の人にこそ最適!
スピーチする機会の多い方の中には、話すことが得意で自信があるという方もおられます。しかし、逆に、口下手で、できれば人前ではあまり話したくないという方も一定数おられます。
学校の先生方のように毎日、話している人たちの中にもそういう方はおられます。きっと、一般企業の管理職の皆さんやサークルや各団体の代表などをされているような、人前で話す機会が多い方々の中にも、スピーチに苦手意識をもっている方はおられることでしょう。そういう方々こそ『マジックスピーチ』の適任者といえます。
スピーチに苦手意識を持っておられる方は、「何とか現状を変えたい!」という強い思いがあります。それこそが、マジックスピーチを行う最大の資質です。
マジックスピーチはスピーチ練習の他に、マジックの練習も必要です。自分が話す一部を「マジックの現象」が補ってくれます。話す練習の一部をマジックの練習にあてなければなりません。そのために最も大切なのが「何とか現状を変えたい!」という強い気持ちなのです。
『マジックスピーチ』のメリット
マジックスピーチには数々のメリットがあります。言葉だけのスピーチに『マジックの現象』という視覚による強烈な現象が現れます。その現象が一番伝えたいメッセージとの関連を意識したものであれば、言葉だけのスピーチより、確実にメッセージは伝わります。
また、スピーチの種類にもよりますが、『マジックの現象』がスピーチの雰囲気を明るく楽しいものに変えてくれます。『マジックの現象』を起こすタイミングや数によって、観客は「次はどんなことがおこるんだ?」というわくわく感とスピーチに対しての前のめりな気持ちを高めることができるのです。そういう気持ちを持たせることができたなら、そのスピーチは成功間違いなしといっていいでしょう。
さらにメリットを挙げれば、マジックスピーチを経験すればするほど、普通のスピーチ力も高まっていきます。観客側の視点から考えることができるようになりますし、タイミングのことも考えるようになります。
さらには、マジックを演じるという能動的な行動によって表現力も身についていきます。
『マジックスピーチ』のデメリット
ただし、メリットばかりではありません。一番のデメリットは、『マジックの練習』をする時間が必要ということです。
普通にスピーチの練習をするよりも練習時間が必要です。ただ、マジックの種類は様々です。中には、効果抜群なのに、簡単にできるマジックもあります。初めのうちは、そういうマジックで実践経験を積むべきです。その効果に驚くことでしょう。「オオッ!」や「エー!」と観客の声が聞こえることもざらにあります。
ただし、大事なのは、現象を起こすことではありません。スピーチ内容とマジックが関連づけられているものであるかという点が大事です。
初心者のうちは、観客の反応がうれしくてついつい,内容と無関係のマジックをしてしまいます。
次に、「ミスできない」という点です。スピーチの言い間違いは、言い直すことができます。しかし、マジックスピーチでおこなうマジックは基本的にやり直しが効かないのです。
その場でもう一度ネタをセットして再チャレンジという行為は夢のあるマジックを興ざめしたものにしてしまいます。
スピーチのメッセージを伝えるツールとして利用する訳ですから、「マジックの失敗」=「スピーチの失敗」と考えるべきでしょう。
まとめ
この記事では、『マジックスピーチ』とは何か、また、そのメリット、デメリットについてお話させてもらいました。
スピーチをする機会の多い方、中でもスピーチに自信がないという方に、おすすめのスピーチ技術です。デメリットのところでもふれましたが、練習時間はかかります。しかし、それに見合うだけのリターンは十分に得ることができる技術です。
スピーチに使える簡単マジックは意外とたくさんあります。興味を持たれた方は、以下などを参考にし、「マジックスピーチ」を実践していただければありがたいです。マジック集
近々、スピーチに使える簡単マジックに関するyoutubeチャンネルも開設予定ですので、是非、チャンネル登録していただければと思います。