送別会

送別会での挨拶(送られる側)

 会社にお勤めの方や公務員、学校の先生方など比較的大きな組織で働いておられる方々には、定期的に転勤があります。ここ何年かは新型コロナの影響で送別会は簡素な形で行われることが多くなりました。

しかし、最後に挨拶する場面は設けられます。送別会でもマジックスピーチを使って感謝の気持ちを粋に伝えてみてはどうでしょうか。

送別会で伝えるべきこととは?

  送別会でどんな話をすればいいんですか?簡単でいいんですよね?

という相談を受けたことがあります。これは、一概には言えません。その方が何年そこに在籍し、どんな立場で、どのような実績を残したのか、職場の中でどんな存在だったのかなどによって変わると思うからです。

さらに、栄転、不本意な転勤、退職、転職などの状況によっても話す内容は違います。

ただ、実際に経験した転勤や参加した送別会で聞かせていただいたたくさんのスピーチから私は以下のように考えています。

  • 今までの感謝の気持ちを誠実に伝える
  • お互いの今後の健闘や健康を祈る
  • 具体的なエピソードを添える
  • 自分の今後について紹介する

 自分がその職場を去る理由はどうであれ、上の①②は絶対にはずしてはいけないポイントです。あくまでもポジティブなメッセージを伝えるべきです。今後、どこでまたつながるかはわかりません。

また、公の場でネガティブな雰囲気を与えることは、他の参加者にとっても、巡り巡って自分にとってマイナスにしかはたらかないのではないでしょうか。

具体的なエピソード

 聞いていて感動したスピーチに共通しているのは具体的なエピソードが添えられていることです。

困難をチームで乗り越えた経験、苦しいときにもらったアドバイス、手伝ってもらったり気遣ってもらった時間、企画やプロジェクトが大成功した瞬間など、同じ時間をともに過ごしたことを話してもらったとき、胸が熱くなったことを覚えています。

また、聞く立場からすると、そのエピソード中に、さらっと自分の名前が入っていたとき「あー覚えてくれていたんだ」「本当によく乗り越えたな!」とその時のことが思い出され、うれしさと懐かしさが込み上げてくるものです。

また、上司の名前を入れると、きっと喜んでもらえると思いますよ。

時間的の目安

 正直、どの程度の時間がベストなのかは、その会で送別される人数や立場などによって変わりますので一概には言えません。あらかじめ幹事の方に、時間的な目安を確認しておくのがよいでしょう。

ただ、送別される人が少ないのに短すぎる挨拶で終わると、何かあっさありして味気ない感じがします。人によっては「この程度のつきあいだったんだな」と感じる方もいるでしょう。

また、逆に送別される人が多いのに5分、10分と話す方もときどき見かけます。こんな時、「空気を読めてないな」「状況をつかんでいないな」と思われます。自分がその職場に長年お世話になって思い出が多ければ多いほど、そうなりがちです。

話し足りないことは、挨拶の場ではなく個別のテーブル回りなどでおこなうようにしましょう。

マジックスピーチの具体例

 送別会での送られる側の挨拶は、マジックスピーチにもってこいです。

それは、自分が主役という立場で話ができるからです。誰もが自分に注目し、自分の話を聞こうという状況が整っています。つまり、参加者の心が開いた状況で始められるのです。

感謝の気持ちをマジックスピーチで伝える

「空中からハンカチ」を使った例

「飲み込みの悪い私に新卒の頃から厳しく、そして粘り強く接して頂きありがとうございました。これが私の皆さんに対する気持ちです」といって、自分の胸から何かをつかむとるそぶりをして「感謝」とか「ありがとう」と書かれたハンカチをだす。

のりのいい先輩や上司がいれば、「よしっ!いいぞ、成長したな。がんばれよ!」の声がかかり拍手が沸き起こります。また、わざと小さいハンカチや字を小さく書いておいて、「何だ!お前の感謝はちっちゃいな!」などと突っ込んでもらうのも盛り上がります。

自分の今後について紹介する

「カラーリングブック」を使った例

「新卒で何もわからずに赴任した真っ白で純情だった私を」(といって、カラーリングブックの白いページを見せる)

「みなさんは、厳しく、そして手加減なく、容赦なくビシビシときたえてくださいました。その結果、何とか自分で仕事の形を作れるようなところまできました。」(といって、白黒の輪郭のページを見せる)

「おいっ!厳しいしかないじゃないか!」と突っ込んでもらうのもいいですね。そして「本当はもう少し優しくしてほしかったです」とうそ泣きのまねをしつつ言うのも楽しいです。「泣いてねえじゃないか!」と突っ込んでもらって「ばれましたか」という感じになると、会場は和みます。もちろん、これは人間関係が成り立ってる上での話ですので自分を取り巻く状況を考えて試してくださいね。

「私は、仙台の支社にいって、みなさんに教えられたことをもとに、自分の仕事に責任を持ってきれいな色をつけられるような男になります!みんさん、本当に3年間ありがとうございました!」(といってカラーのページを見せる)

お世話になった職場にエールを送る

「ばらばらの紙」を使った例

「それでは、最後になりますが〇×商事の皆さんにこの小さい紙を使って転任者の気持ちを伝えます!」といってはがき大の紙を6~12枚程度取り出し重ねます。そして、

「みなさん!ありがとうございました!エイッ」といって重ねた紙にむかっておまじないのポーズをとります。すると紙が1枚につながって、そこに「〇×商事は永久に不滅です!」と書かれています。

この紙は、自宅のプリンターでも自分の手書きでも作成できます。最後の場面で見せるものなので、短めにそして参加者の心を揺さぶるものを考えてください。拍手喝采は間違いなしです。

まとめ

 送別会で送られる側がマジックスピーチをする際に知っておきたいことをまとめると以下のようになります。

  • 送別会ではあなたが主役!マジックスピーチとは好相性
  • マジックスピーチでは感謝の気持ち、今後の健闘や健康を必ず伝える
  • 送別される方が多い場合は、マジックスピーチも時間を考えておこなう
  • 送別会はマジックで感謝の気持ちや自分の夢を伝えるには絶好の場面

送別会は、別れの場面です。普通に話しても盛り上がりやすいです。ですが、マジックスピーチをおこなうともっと感動的で心のこもったメッセージを伝えることが可能になりますよ。

  • この記事を書いた人

なんでやねんゴロー

 教師歴37年。マジック歴23年。
多くのイベントや各種施設で『ステージマジック』を中心に演じてきました。はじめは,お客様が驚き楽しんでくれることが喜びだったのですが,徐々にお客様から『やる気』や『感動』をもらっている自分に気づいてきたのです。
「『マジック』というこんな素晴らしいツールをスピーチに取り入れてみたらどうなるのだろうか?」という素朴な疑問からスタートしたマジックスピーチ。その絶大なる効果と成果に私自身が一番驚いています。

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